法令一般
DscyOfficeはそもそも、歯科医療管理&医事法を専門とするサイトである。
ちまたに、歯科の学術のサイトや書籍や学会や研修会は星の数ほどあるものの、医療管理の研修会や書籍はそれほど多くは無い。
また、医事法についても大学時代講義があったもののほとんど記憶に無い。
そもそも、一事象と言えども見る方向によって様々な形態に見えるものである。それを、私はかねがね「おばけ煙突の理論」と称して書いてきた。この「おばけ煙突」。今の若い方々には知らない方も多いのだろうが、かつては小学校の教科書にも載っていたくらいのものなのだが、これは北千住にあった発電所の4本の煙突のことを指す。この4本の煙突はその独特の配置関係により、見る方向によって「1本に見えたる、2本に見えたり、3本に見えたり、4本に見えたりする」のである。それをもとに、私は「実態は同じでも見る方向によって様々な形態に見える」ことを「お化け煙突」に例えて説明しているのである。従って、今後の文面においても時々出てくる表現なので御承知おきたい。
さて、前置きが長くなったが、法律という物もまさにその「お化け煙突」であり、実態は一つなのだが、それを見る立場によって様々な形態に見えるものである。法律については、医事法も含めて書籍としても様々なものが存在するが、それらは全て法律の専門家の先生方が書かれているもので、その視点は常に法律の専門家という立場である。しかし、現場の医療関係者の視点からみるとわかりにくかったり違和感を覚えたりすることもあるのである。従って「歯科医業と法律」では、現場の視点から見た法律(規則)というスタンスで書いてみたいと思う。
なお、法の実態は同じでも、対応や解釈は人それぞれ違うのが常である。異なる解釈や対応などの御意見をお持ちの方は「コメント」に記載して頂けると幸いである。それこそ、正に「お化け煙突」なのである。
# 法の概念
法の中心になるものは憲法の理念のもとに国会で制定された「法律」であり、法律の細則を定めた政令(施行令)・省令(施行規則)や地方にて制定された条例等も含まれる。その他に裁判所の判決・慣習なども法としての効力を持つことがある。
例) 日本国憲法 → 歯科医師法(他の法令) → 歯科医師法施行令 → 歯科医師法施行規則 → 厚生労働省通知
# 政令とは内閣が定めた命令で閣議の決定によって成立し、主務大臣が署名し、総理大臣が連署し、天皇が公布する。
根拠法: 日本国憲法
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
6.この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。
但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
# 省令とは、各省の大臣が主任の行政事務について、または、法律もしくは政令の委任に基づいて発する命令。
根拠法: 国家行政組織法
(行政機関の長の権限)
第12条 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。
2 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。
3 省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。
# 通知(通達)
通達とは書面によって送付された訓令のこと。訓令とは上級行政機関がその指揮命令権に基づいて下級行政機関に発する命令を言う。
通達は、法令に違反しないかぎりにおいてしか効力を有しないので、法律の規定を重視し、ついで法律が空白である範囲において通達に従う
べきである。
# 行政指導
行政機関が、行政目的を実現するために私人又は他の行政機関に対して法的拘束力の無い手法によって働きかけることをいう。そういった意味では保険医の指導が行政指導として認識していいのか疑問である。
