救急医療対策事業実施要綱
○ 救急医療対策事業実施要綱
(平成1 5年5月2 7日医政発第0 5 2 7 0 0 8 号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知)
1 . 目的
この事業は、地方公共団体が、休日及び夜間の診療を行う急患センター( 以下「休日夜間急患センター」という。) を整備し地域住民の急病患者の医療を確保することを目的とする。
2 . 補助対象
地方公共団体( 委託等を含む。) が実施する休日夜間急患センターの施設整備、設備整備を交付の対象とする。
3 . 整備基準
( 1 ) 休日の診療とは、次のアからエに掲げる日の午前8 時から午後6 時までの間に診療を行うことをいい、夜間の診療とは午後6 時から翌日午前8 時までの間に診療を行うことをいう。
ア日曜日
イ国民の祝日に関する法律( 昭和2 3 年7 月2 0 日法律第1 7 8 号) に定める祝日及び休日
ウ年末年始の日( 1 2 月2 9 日から1 月3 日まで)
エ週休二日制に伴う土曜日又はその振替日
( 2 ) 施設及び設備
ア施設
休日夜間急患センターとして必要な診療部門等を設けるものとする。
イ設備
休日夜間急患センターとして必要な医療機器等を備えるものとする。
( 3 ) 地域住民に対して救急医療に関する情報提供を行う。
第2 休日等歯科診療所
1 . 目的
この事業は、都道府県又は都道府県知事の要請を受けた市( 以下「都道府県等」という。) が行う休日及び休日の夜間における歯科診療並びに心身障害者( 児) 歯科診療を実施する歯科診療所( 以下「休日等歯科診療所」という。) の設備整備及び運営に要する経費を補助することにより、休日、休日夜間及び心身障害者( 児) の歯科診療体制を確保することを目的とする。
2 . 補助対象
実施主体は、都道府県等とする。ただし、運営費については、都道府県等の委託により実施する休日等歯科診療所の運営及び当該歯科診療所へ派遣する歯科医師の連絡調整を行う事業を交付の対象とすることができる。
また、設備整備費については、都道府県等が貸借契約に基づき、前記委託休日等歯科診療所において無償で使用させるために行う事業を交付の対象とすることができる。
3 . 整備基準
( 1 ) 休日の歯科診療とは、次のアからエに掲げる日の午前8 時から午後6 時までの間に歯科診療を行うことをいう。
ア日曜日
イ国民の祝日に関する法律( 昭和2 3 年7 月2 0 日法律第1 7 8 号) に定める祝日及び休日
ウ年末年始の日( 1 2 月2 9 日から1 月3 日まで)
エ週休二日制に伴う土曜日又はその振替日
( 2 ) 休日夜間の歯科診療とは、次のアからエに掲げる日の午後6 時から翌日午前8 時までの間に歯科診療を行うことをいう。
ア日曜日
イ国民の祝日に関する法律( 昭和2 3 年7 月2 0 日法律第1 7 8 号) に定める祝日及び休日
ウ年末年始の日( 1 2 月2 9 日から1 月3 日まで)
エ週休二日制に伴う土曜日又はその振替日
( 3 ) 心身障害者( 児) 歯科診療とは、障害者基本法( 昭和4 5 年法律第8 4号) 第2 条に定める者( 以下「心身障害者( 児) 」という。) を対象に原則として7 7 日以上の診療日を定め、午前8 時から午後6 時までの間に歯科診療を行うことをいう。
( 4 ) 地域住民に対して歯科の救急医療に関する情報提供を行う。
第3 在宅当番医制
1 . 目的
この事業は、地区医師会が実施する在宅当番医制の定着化を図るとともに、さらに未実施地区への普及を図ることにより、休日及び夜間における地域住民の急病患者の医療を確保することを目的とする。
2 . 補助対象
地区医師会( 郡市医師会、指定都市の区医師会) が、当該地区医師会の区域において、地方公共団体の委託等により実施する下記事業とする。ただし、これによりがたい場合は、都道府県知事が設定する区域において、厚生労働大臣が適当と認める者が地方公共団体の委託等により実施する下記事業とすることができる。
なお、この事業の補助対象経費の取り扱いについては、「初期救急医療施設運営費等補助金( 在宅当番医制事業) に係る事務処理について( 平成1 2年3 月3 1 日指第2 3 号健康政策局指導課長通知) 」に留意するものとする。
( 1 ) 休日及び夜間の診療を行う在宅当番医の当番日の調整事業及び在宅当番医の実施事業
( 2 ) 休日夜間急患センターへ派遣する医師の調整を行う事業
( 3 ) 地域住民に対する救急医療知識の普及啓蒙を行う事業
( 4 ) 地域住民に対する救急医療に関する情報提供を行う事業
( 5 ) 地域の実情に応じた小児初期救急医療確保のためのモデル的事業
第4 初期救急医療施設( 診療所) 医師研修事業
1 . 目的
この事業は、初期救急医療施設の医師を対象として、心筋梗塞等の心臓病( 以下「心臓病」という。) 及び脳梗塞等の脳卒中( 以下「脳卒中」という。) に係る研修を実施することにより、心臓病及び脳卒中分野の救急医療体制の質の向上を図ることを目的とする。
2 . 補助対象
在宅当番医制を実施する地方公共団体又は地方公共団体の委託等により在宅当番医制を実施する地区医師会が、診療所の医師を対象として実施する下記研修とする。ただし、これによりがたい場合は、診療所の医師を対象として、厚生労働大臣が適当と認める者が地方公共団体の委託等により実施する下記研修とすることができる。
( 1 ) 心臓病の診断・治療・予防等に関する医師研修
( 2 ) 脳卒中の診断・治療・予防等に関する医師研修
第5 歯科在宅当番医制
1 . 目的
この事業は、地区歯科医師会が実施する歯科の在宅当番医制の定着化を図るとともに、さらに、未実施地区への普及を図ることにより、休日又は休日の夜間における地域住民の歯科の急病患者の歯科医療を確保することを目的とする。
2 . 補助対象
地区歯科医師会が当該地区歯科医師会の区域において、地方公共団体の委託等により実施する下記事業とする。ただし、これによりがたい場合は、都道府県知事が設定する区域において、厚生労働大臣が適当と認める者が地方公共団体の委託等により実施する下記事業とすることができる。
( 1 ) 休日及び休日の夜間の歯科診療を行う在宅当番医の当番日の調整事業及
び在宅当番医の実施事業
( 2 ) 地域住民に対する歯科の救急医療知識の普及啓発を行う事業
( 3 ) 地域住民に対する歯科の救急医療に関する情報提供を行う事業
第6 第二次救急医療体制
1 . 目的
( 1 ) 病院群輪番制病院等運営事業は、地方公共団体が地域の実情に応じて病院群輪番制方式、共同利用型病院方式等による第二次救急医療施設を整備し、休日夜間急患センター、在宅当番医制等の初期救急医療施設及び救急患者の搬送機関との円滑な連携体制のもとに、休日及び夜間における入院治療を必要とする重症救急患者の医療を確保することを目的とする。
( 2 ) 小児救急医療拠点病院運営事業は、都道府県が地域の実情に応じて小児救急医療拠点病院を整備し、休日夜間急患センター、在宅当番医制等の初期救急医療施設及び小児救急患者の搬送機関との円滑な連携体制のもとに、休日及び夜間における入院治療を必要とする小児の重症救急患者の医療を確保することを目的とする。
( 3 ) ヘリコプター等添乗医師等確保事業は、離島、山村において、発生した重症救急患者をヘリコプター等により搬送する際、地方公共団体の要請により、機内において早期に必要な救急処置を行うため、添乗する医師を確保することを目的とする。
2 . 補助対象
( 1 ) 病院群輪番制病院等運営事業
ア地域設定
地域設定は、原則として二次医療圏単位とする。ただし、二次医療圏単位によりがたい地域については都道府県知事が設定する地域で厚生労働大臣が適当と認めたものとする。
イ病院
地方公共団体又は地方公共団体の長の要請を受けた病院の開設者が整備、運営する病院で相当数の病床を有し、医師等の医療従事者の確保及び救急専用病床の確保等、第二次病院としての診療機能を有する病院とする。
( 2 ) 小児救急医療拠点病院運営事業
ア地域設定
地域設定は、複数の二次医療圏単位とする。
イ病院
都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備、運営する病院で相当数の病床を有し、小児科医師、看護師等の医療従事者の確保及び小児の救急専用病床の確保並びに研修施設を有する等、第二次病院として診療機能を有する病院とする。
( 3 ) ヘリコプター等添乗医師等確保事業
救急患者の搬送にヘリコプター等を使用し、これに医師等を添乗させる事業を行っている地方公共団体とする。
3 . 運営方針
( 1 ) 病院群輪番制病院等運営事業
ア病院群輪番制病院及び共同利用型病院運営事業
地域の実情に応じた次の方式により休日夜間の診療体制を整えるものとし、原則として、初期救急医療施設からの転送患者を受け入れるものとする。
( ア) 病院群輪番制方式
地域内の病院群が共同連帯して、輪番制方式により実施するものとする。
( イ) 共同利用型病院方式
医師会立病院等が休日夜間に病院の一部を解放し、地域医師会の協力により実施するものとする。
イ小児救急医療支援事業
( ア) 小児救急医療支援実施事業
地域の小児科を標榜する病院群又は病院が病院群輪番制方式又は共同利用型病院方式により、小児救急医療に係る休日夜間の診療体制を整えるものとし、原則として、初期救急医療施設からの転送患者を受け入れるものとする。
( イ) 小児救急医確保調整事業
小児救急医療体制の確保を図るため、小児科医を含む地域の関係者からなる協議会を設置し、地域における小児救急医の確保のための検討・調整及び小児救急医療関係施設間の調整等、小児救急医療体制の確保に必要な事項の調整等を行うものとする。
( 2 ) 小児救急医療拠点病院運営事業
ア小児救急医療拠点病院は、小児救急医療に係る休日夜間の診療体制を常時整えるものとし、原則として、初期救急医療施設及び救急搬送機関から転送された小児重症救急患者を必ず受け入れるものとする。
イ小児救急医療拠点病院は、地域の小児科医師等を対象とした小児救急医療分野の研修を定期的に行い、地域の小児救急医療の充実に努めるものとする。
( 3 ) ヘリコプター等添乗医師等確保事業
地方公共団体は、ヘリコプター等による救急患者の搬送に当たっては、次により添乗医師等を確保するものとする。救急患者1 人の搬送に対し、原則として医師1 人の添乗とする。
ただし、救急患者の症状に応じて看護師等1 人の添乗を追加できるものとする。
4 . 整備基準
( 1 ) 病院群輪番制方式
ア当番日における第二次救急医療施設として必要な診療機能及び専用病床を確保するものとする。
イ当番日における病院の診療体制は、通常の当直体制の外に重症救急患者の受け入れに対応できる医師等医療従事者を確保するものとする。
( 2 ) 共同利用型病院方式
ア第二次救急医療施設として必要な診療機能及び専用病床を確保するものとする。
イ病院の診療体制は、通常の当直体制の外に重症救急患者の受け入れに対応できる医師等医療従事者を確保するものとする。
( 3 ) 小児医療拠点病院
ア小児重症救急患者の第二次救急医療施設として必要な診療機能及び専用病床を確保するものとする。
イ病院の診療体制は、休日夜間に小児重症救急患者の受け入れに常時対応できる小児科医師及び看護師等医療従事者を確保するものとする。
( 4 ) ヘリコプター等添乗医師等確保事業
地方公共団体は、ヘリコプター等へ容易に添乗できる体制を確保するものとする。
( 5 ) 施設及び設備
ア病院群輪番制病院及び共同利用型病院運営事業
( ア) 施設
第二次救急医療施設として必要な診療部門( 診療室、処置室、手術室、薬剤室、エックス線室、検査室等) 及び専用病室等を設けるものとする。
また、必要に応じ、心臓病及び脳卒中の重症救急患者を受け入れるため、心臓病専用病室( C C U ) 及び脳卒中専用病室( S C U ) を設けるものとする。
( イ) 設備
第二次救急医療施設の診療機能として必要な医療機械を備えるものとする。
また、必要に応じ、心臓病及び脳卒中の重症救急患者の治療等に必要な専用医療機器を備えるものとする。
このほか、必要に応じて、搬送途上の患者の様態を正確に把握し、医師の具体的指示を搬送途上に送るため、地域の中心的な第二次救急医療施設に心電図受信装置を備えるものとする。
イ小児救急医療拠点病院
( ア) 施設
小児重症救急患者の第二次救急医療施設として必要な小児科診療部門( 診療室、処置室、手術室、薬剤室、エックス線室、検査室等) 、小児専用病室及び研修室等を設けるものとする。
( イ) 設備
小児重症救急患者の第二次救急医療施設として必要な医療機械等を備えるものとする。
第7 第二次救急医療施設勤務医師研修事業
1 . 目的
この事業は、第二次救急医療施設に勤務する医師を対象として、心臓病及び脳卒中の救急医療に係る実地研修を実施することにより、心臓病及び脳卒中分野の救急医療体制の質の向上を図ることを目的とする。
2 . 補助対象
病院群輪番制病院等運営事業を実施する地方公共団体が、病院群輪番制病院等の第二次救急医療施設に勤務する医師を対象として実施する下記研修とする。ただし、これによりがたい場合は、二次救急医療施設に勤務する医師を対象として、厚生労働大臣が適当と認める者が地方公共団体の委託等により実施する下記研修とすることができる。
( 1 ) 救命救急センター等において行う心臓病の救急医療に関する医師実地研修
( 2 ) 救命救急センター等において行う脳卒中の救急医療に関する医師実地研修
第8 救命救急センター
1 . 目的
この事業は、都道府県が救命救急センターを整備し、休日夜間急患センター、在宅当番医制等の初期救急医療施設、病院群輪番制等の第二次救急医療施設及び救急患者の搬送機関との円滑な連携体制のもとに、重篤救急患者の医療を確保することを目的とする。
2 . 補助対象
都道府県の医療計画等に基づき、都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備、運営する救命救急センターで厚生労働大臣が適当と認めるものを対象とする。
3 . 運営方針
( 1 ) 救命救急センターは、原則として、重症及び複数の診療科領域にわたるすべての重篤な救急患者を2 4 時間体制で受け入れるものとする。
( 2 ) 救命救急センターは、初期救急医療施設及び第二次救急医療施設の後方病院であり、原則として、これらの医療施設及び救急搬送機関からの救急患者を2 4 時間体制で必ず受け入れるものとする。
( 3 ) 救命救急センターは、適切な救急医療を受け、生命の危険が回避された状態にあると判断された患者については、積極的に併設病院の病床または転送元の医療施設等に転床させ、常に必要な病床を確保するものとする。
( 4 ) 救命救急センターは、医学生、臨床研修医、医師、看護学生、看護師及び救急救命士等に対する救急医療の臨床教育を行うものとする。
4 . 整備基準
( 1 ) 救命救急センターは、救命救急センターの責任者が直接管理する相当数(概ね1 0 床以上)の専用病床を有し、2 4 時間体制で、重症及び複数の診療科領域にわたるすべての重篤な救急患者に対する高度な診療機能を有するものとする。
( 2 ) 救命救急センターには、2 4 時間診療体制を確保するために、必要な職員を配置するものとする。
ア医師
( ア) 救命救急センターの責任者は、重症及び複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者に適切に対応できる三次救急医療の専門的知識と技能
を有し、高度な救急医療及び救急医学教育に精通した医師であるとの客観的評価を受けている専任の医師とする。( 例: 日本救急医学会指導医等)
( イ) 救命救急センターは、救急医療の教育に関する適切な指導医のもとに、一定期間(3 年程度)以上の臨床経験を有し、専門的な三次救急医療に精通しているとの客観的評価を受けている専任の医師を適当数有するものとする。( 例: 日本救急医学会認定医等)
( ウ) 救命救急センターとしての機能を確保するため、内科、外科、循環器科、脳神経外科、心臓血管外科、整形外科、小児科、眼科、耳鼻科、麻酔科及び精神科等の医師を必要に応じ適時確保できる体制を有するものとする。
( エ) 必要に応じ、心臓病の内科系専門医とともに外科系専門医を、脳卒中の外科系専門医とともに内科系専門医を専任で確保するものとする。
( オ) 救急救命士への必要な指示体制を常時有するものとする。
イ看護師及び他の医療従事者
( ア) 重篤な救急患者の看護に必要な専任の看護師を適当数有するものとする。
( なお、専任の看護師は、専門的な三次救急医療に精通しているとの客観的評価を受けていることが望ましい。例: 日本看護協会救急看護認定看護師等)
( イ) 診療放射線技師及び臨床検査技師等を常時確保するものとする。
( ウ) 緊急手術ができるよう、必要な人員の動員体制を確立しておくものとする。
( 3 ) 施設及び設備
ア施設
( ア) 救命救急センターの責任者が直接管理する専用病床及び専用の集中治療室( I C U ) を適当数有するものとする。
また、急性期の重篤な心臓病及び脳卒中の救急患者を受け入れるため、必要に応じて心臓病専用病室( C C U ) 及び脳卒中専用病室( SCU ) を設けるものとする。
( イ) 救命救急センターとして必要な専用の診察室( 救急蘇生室) 、緊急検査室、放射線撮影室及び手術室等を設けるものとする。
( ウ) 必要に応じ、適切な場所にヘリポートを整備するものとする。
イ設備
( ア) 救命救急センターとして必要な医療機器及び重症熱傷患者用備品等を備えるものとする。
また、必要に応じ、急性期の重篤な心臓病及び脳卒中の救急患者の治療等に必要な専用医療機器を備えるものとする。
( イ) 必要に応じ、ドクターカーを有するものとする。
( ウ) 救急救命士への必要な指示ができるよう、原則として心電図受信装置を備えるものとする。
( 注) ドクターカーとは、患者監視装置等の医療機械を搭載し、医師、看護師等が同乗し、搬送途上へ出動する救急車である。
第9 高度救命救急センター
1 . 目的
この事業は、都道府県が高度救命救急センターを整備し、救急医療の円滑な連携体制のもとに、特殊疾病患者に対する医療を確保することを目的とする。
2 . 補助対象
都道府県の医療計画に基づき、都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備、運営し、厚生労働大臣が認めた救命救急センターのうち、特に高度な診療機能を有するものとして厚生労働大臣が適当と認めるものを対象とする。
3 . 運営方針
高度救命救急センターは、救命救急センターに収容される患者のうち、特に広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒等の特殊疾病患者を受け入れるものとする。
4 . 整備基準
( 1 ) 高度救命救急センターは、広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒等の特殊疾病患者に対する救命医療を行うために必要な相当高度な診療機能を有するものである。
( 2 ) 高度救命救急センターには、2 4 時間診療体制を確保するために、必要な職員を配置するものとする。
ア医師
常時高度救命救急医療に対応できる体制をとるものとする。特に麻酔科等の手術に必要な要員を待機させておくものとする。
イ看護師等医療従事者
特殊疾病患者の診療体制に必要な要員を常時確保すること。特に手術に必要な動員体制をあらかじめ考慮しておくものとする。
( 3 ) 設備
高度救命救急センターとして必要な医療機器を備えるものとする。
第1 0 ドクターヘリ導入促進事業
1 . 目的
この事業は、救命救急センターにドクターヘリを委託により配備し、救急患者の救命率等の向上、広域救急患者搬送体制の向上及びドクターヘリの全国的導入の促進を図ることを目的とする。
2 . 補助対象
都道府県の医療計画等に基づき、都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者が整備、運営する救命救急センターで厚生労働大臣が適当と認めるものを対象とする。
3 . 運営方針
( 1 ) ドクターヘリの運航に係る関係機関等との調整、地域住民への普及啓発等を行う運航調整委員会を設置し、本事業の実施、運営に関する必要事項に係る諸調整等を行い、ドクターヘリの運行に万全を期すとともに地域住民の理解と協力が得られるよう努めなければならない。
( 2 ) 運航調整委員会の委員は、都道府県、市町村、地域医師会、消防、警察、運輸、教育委員会等関係官署に所属する者、ドクターヘリ運航会社及び有識者により構成するものとし、これら関係機関と密接な連携をとって当該事業を実施するものとする。
( 3 ) 事業の実施に当たっては、救急医療専用ヘリコプター、操縦士、整備士及び運航管理者等を運航会社との委託契約により配備するものとする。
( 4 ) 事業の実施に当たっては、ドクターヘリに同乗する医師、看護師等を確保するとともに、出動及び搬送においては、必ず医師を、必要に応じて看護師を同乗させるものとする。
( 5 ) 出動及び搬送については、原則として消防官署又は医療機関からの要請に対して医師、操縦士等の判断のもと行うものとする。
( 6 ) 出動範囲は、原則として県内全域を対象とするものとし、必要に応じて、隣県に及ぶ広域についても対象とするものとする。
( 7 ) 飛行中のドクターヘリと救命救急センター又は救急隊等との通信手段の確保に努めなければならないものとする。
( 8 ) ドクターヘリの運航を委託する運航会社の選定指針及び無線による通信手段を確保する場合の無線の運用指針については、別に定める。
4 . 整備基準
( 1 ) 救命救急センターに隣接するヘリポートを有し、救命救急センター内までの導線及び患者移送の方法が確保されていること。
( 2 ) 救急医療専用ヘリコプターについて十分な見識を有すること。
( 3 ) 救命救急センターを設置する地域が、当該事業目的に従い十分に効果を発揮する地域であること。
( 4 ) 救命救急センターを運営する病院が、当該事業に対して総力を挙げて協力する体制を有すること。
( 5 ) 救命救急センターと消防機関等との連携が従前より緊密であること。
( 6 ) 救命救急センターの運営に支障を来たさないこと。
「ドクターヘリ」とは、救急医療用の医療機器等を装備したヘリコプ( 注)ターであって、救急医療の専門医及びが同乗し救急現場等に向看護師等
かい、現場等から医療機関に搬送するまでの間、患者に救命医療を行うことのできる専用のヘリコプターのことをいう。
第1 1 救急救命士病院実習受入促進事業
1 . 目的
この事業は、医療機関において救急救命士の資格を有する救急隊員の行う心肺蘇生等の救急救命処置の実習を行うための体制整備を促進することにより、救急救命士の資格を有する救急隊員の業務の高度化と資質の向上を図ることを目的とする。
2 . 補助対象
都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院の開設者( 救命救急センターを除く。) が行う救急救命士の病院実習受入促進事業を補助対象とする。
3 . 運営方針
救急救命士の資格を有する救急隊員の病院実習は、以下の内容の病院実習を実施する。
( 1 ) 医師の指示の下に必要な知識を習得した救急救命士の資格を有する救急隊員の気管挿管及びその再教育( 実習内容については、別途通知)
( 2 ) 「救急救命士の資格を有する救急隊員に対して行う就業前教育の実施要綱について( 平成6 年4 月1 日付け消防救第4 2 号) 」に基づく救急救命士の資格を有する救急隊員の就業前教育
( 3 ) 「救急隊員の教育訓練の充実強化について( 昭和6 0 年4 月8 日付け消防救第3 2 号」、「救急隊員資格取得講習その他救急隊員の教育訓練の充実強化について( 平成元年5 月1 8 日付け消防救第5 3 号) 」及び「救急業務の高度化の推進について( 平成1 3 年7 月4 日付け消防救第2 0 4 号) 」に基づく救急救命士の資格を有する救急隊員の再教育
4 . 整備基準
( 1 ) 救急救命士の実習を行う病院には、原則として、救急医療に精通している医師を複数有するものとする。( 日本救急医学会認定医、日本麻酔科学会指導医等)
( 2 ) 救急救命士の実習を行う病院は、院内の救急医療に精通している医師の中から1 人をコーディネーター医として指定し、主に以下の業務を行うこと。
ア病院実習を受けるに足りる知識・技能を有する救急救命士であることの確認
イ入院患者等へのインフォームドコンセントの実施・確認について倫理委員会への報告
ウ受入診療科における指導医の確保に関する調整( 診療時間の調整等)
エ指導医の指導内容の調整( 重複や漏れのチェック)
オ実習終了認定の調整( 各診療科からの評価結果の総合評価)
カ消防機関との受入時期等の調整
キ地域メディカルコントロール協議会への出席等
( 3 ) 救急救命士の実習を行う病院は、患者への同意を行う体制や安全確保に関する体制が整備されていること。
5 . 設備
救急救命士の実習を行う病院として必要な医療機器等を備えるものとする。
第1 2 救急医療情報センター
( 広域災害・救急医療情報システム)
1 . 目的
この事業は、都道府県が県全域を対象とした救急医療情報センター( 広域災害・救急医療情報システム) を整備するとともに、都道府県センター間のコンピュータネットワークの運営、バックアップセンターの運営を行い、通常時は救急医療施設から的確に情報を収集し、医療施設、消防本部等へ必要な情報の提供を行い、円滑な連携体制の基に、救急患者の医療を確保し、また、災害時には医療機関の稼働状況、医師・看護師等要員の状況、電気等の生活必需基盤の確保、医薬品等の備蓄状況等、災害医療に係る総合的な情報収集及び提供を行うことを目的とする。
2 . 補助対象
都道府県又は都道府県知事の委託を受けた法人が整備、運営する救急医療情報センター( 広域災害・救急医療情報システム) を補助対象とする。
3 . 運営方針
( 1 ) 通常時は、各都道府県の状況に応じた都道府県完結型の救急医療情報システムとする。すなわち、休日夜間急患センター、第二次救急施設及び救命救急センター、その他救急医療に必要な体制に関する情報を収集し、医療施設及び消防本部等に必要な情報を提供するものとする。
( 2 ) 災害時に迅速かつ的確に救援・救助を行うため、全国の医療施設の状況を全国の医療施設、消防機関、保健所その他の行政機関等が把握可能な情報システムとする。
( 3 ) 災害時に交換する情報は、全国共通化するものとする。
( 4 ) 都道府県センターは、災害時において災害・救急医療情報を広域的に利用するために後方支援( 以下「バックアップ」という。」) 機能を保持するバックアップセンターと結ぶものとする。また、災害時において都道府県センターが機能しなくなった場合においては、都道府県センターの役割をバックアップセンターが直接行えるようにするものとする。
( 5 ) 災害時に登録した情報は、国民が有効に利用できるよう必要な情報をインターネットを通じ公開するものとする。
( 6 ) 地域における救急医療に係る問題点への取り組みや医療・消防機関等関係者との連携体制を構築するため、都道府県センターに「救急医療情報センター運営委員会」を設置し、地域の救急医療体制が適正に機能する体制を確保する。
4 . 事業内容
( 1 ) 通常時の事業
ア毎日定時の情報収集事業
( ア) 診療科別医師の在否
( イ) 診療科別の手術及び処置の可否
( ウ) 病室の空床状況( 診療科別、男女別、集中治療室等の特殊病室及びその他)
イ情報提供、相談事業
医療施設、消防本部及び地域住民からの問い合わせに対して適切な受入れ施設の選定、確認又は回答を行うものとする。
ウ救急医療情報センター運営委員会の開催
( 2 ) 災害時の情報収集及び提供事業
ア医療施設状況
イ患者転送要請
ウ医薬品等備蓄状況
エ電気等の生活必需基盤の確保状況
オ受入患者状況
カボランティアの提供及び要請状況
5 . 整備基準
( 1 ) バックアップセンター
ア全国の災害・救急医療情報をバックアップするために全国に1 か所バックアップセンターを置くものとする。
イ運用は2 4 時間体制で行うものとする。
ウ耐震性の建物に設置するものとする。
( 2 ) 都道府県センター
ア各都道府県には、広域災害・救急医療情報システムを運用、登録するための都道府県センターを設けるものとする。
イ運用は2 4 時間体制で行うものとする。
ウ耐震性の建物に設置するよう配慮するものとする。
( 3 ) 端末機器
医療施設、保健所その他の行政機関等に広域災害・救急医療情報システムの情報交換のための端末機器を置くものとする。
( 4 ) 救急医療情報センター運営委員会
運営委員会の委員は、都道府県、市町村、保健所、二次医療圏協議会、消防機関、地区医師会、救命救急センター等に所属する者から構成するも
のとする。
6 . 上記によりがたい場合は、あらかじめ厚生労働大臣に協議の上適当と認めたものとする。
第1 3 中毒情報センター情報基盤整備事業
1 . 目的
この事業は、財団法人日本中毒情報センターが化学物質等による急性中毒の治療方法等に関する情報を迅速に提供するため、それらの情報に関する情報基盤を整備し、急性中毒対策の充実を図ることを目的とする。
2 . 補助対象
財団法人日本中毒情報センターとする。
3 . 事業内容
( 1 ) 化学物質等によって起こる急性中毒に関する次のような情報の収集及び提供
ア急性中毒の原因となる物質の名称、成分、組成等に関する情報
イアの物質を含有する商品の名称、含有量等に関する情報
ウ急性中毒の症状及び治療方法等に関する情報
( 2 ) ( 1 )により収集した情報の整理集積
( 3 ) 急性中毒に関する情報提供に必要な基礎資料の作成
( 4 ) 2 4 時間体制で医師の適切な指示が受けられる体制を確保する。

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