感染性廃棄物の適正処理について

2009年7月24日 13:01

感染性廃棄物の適正処理について  
(平成四年八月一三日 衛環第二三四号)  
(各都道府県知事、各政令市長あて)  
(厚生省生活衛生局水道環境部長通知)  
改正 平成一一年 六月二五日生衛発第九五六号  
 感染性廃棄物の適正処理の確保については、「医療廃棄物処理ガイドライン」に基づいて行われるようご指導いただいてきたところであるが、平成三年一○月に改正された廃棄物の処理及び清掃に関する法律において、特別管理一般(産業)廃棄物に関する制度を設けたことに伴い、感染性廃棄物処理対策検討委員会を設置して検討を進めてきたところ、今般、「感染性廃棄物の適正な処理の推進について」が別添のとおりまとめられた。同法施行に伴い特別管理一般(産業)廃棄物として指定された感染廃棄物については、別添報告書別紙二の「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に基づいて感染性廃棄物の処理を行うこととするので、必要な体制の整備に努められたい。  
 なお、平成元年一一月一三日付け衛環第一七四号厚生省水道環境部通知「医療廃棄物の適正処理について」は廃止する。  
別添  
   感染性廃棄物の適正な処理の推進について  
                        感染性廃棄物処理対策検討委員会  
 感染性廃棄物(感染性の性状を有し人の健康に被害を生じさせるおそれのある感染性一般・産業廃棄物をいう。以下同じ。)の適正な処理の推進については、平成2年4月から「医療廃棄物処理ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)に基づき、各関係者により努力がなされてきたところであるが、その実施状況をみると、ガイドラインの趣旨が完全に浸透しているとは言い難く、また、感染性廃棄物の定義、処理方法等についても、地域によりその解釈や方法が異なっているとの指摘がある。  
極端な場合には、医療機関から排出される廃棄物は全て感染性を有しているかの誤解をしている向きも見られる。そのため、感染性ではない、医療行為とは無関係の一般廃棄物でさえ、処理に困難をきたしている例もある。  
 そこで、本委員会では、昨年10月の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の改正により新たに設けられた特別管理廃棄物の制度を前提として、ガイドラインの内容を踏まえつつ、感染性廃棄物の適正な処理を推進するための方策について検討を行ってきたが、今般、その結果に基づき、別紙1のとおり「感染性廃棄物の適正な処理の推進に関する方策について」をとりまとめるとともに、これを基にガイドラインの内容を見直し、それに代わるものとして別紙2「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」をとりまとめたので報告する。また、感染性廃棄物の適正な処理を推進するため、関係者にあっては、次の措置を講ずることが適当である。
1 医療機関等の感染性廃棄物の排出事業者

 (1) 医療機関等の感染性廃棄物の排出事業者(以下「排出事業者」という。)は、感染性廃棄物の処理にあたっては、自らの焼却施設等により処理することができる場合は自ら処理し、又は焼却施設等の稼働が困難な場合及び焼却施設等を有していない場合等は、適正な処理業者に委託する、若しくは感染性廃棄物の処理に適した処理施設を有している市町村に委ねること。なお、排出事業者は、昨年10月に改正された廃棄物処理法(以下「改正廃棄物処理法」という。)、同法に基づく命令、関連通知等に従って感染性廃棄物の管理体制を整備するとともに、関係者に対して関係法令及び感染性廃棄物の処理、管理等についての正しい知識の普及・啓発に努めること。

 (2) 病院、衛生検査所等は、多量の感染性廃棄物を排出し、その内容も多様であることから、病院、衛生検査所内における取扱い等に関する統一的な規定を作成すること。

 (3) 感染性廃棄物の処理を処理業者に委託する場合には、処理業者に関する情報の収集に努め、適正な委託を行うこと。

 (4) 感染性廃棄物とそれ以外の廃棄物の分別を徹底すること。 

2 市町村

 (1) 市町村は一般廃棄物の処理に責任を有することは言うまでもないが、地域の保健衛生の確保・向上の観点から、地域の実情を踏まえ、感染性廃棄物の適正な処理の実施に協力すること。特に診療所等の小規模施設から排出される非感染性となる処理を経た廃棄物については、その処理に協力すること。このため、都道府県との連絡を密にするとともに、医療機関等の感染性廃棄物の排出事業者、郡市医師会等の関係団体及び市町村清掃部局が協議する場を設けること。

 (2) 感染性廃棄物の排出及び処理の状況の把握に努め、排出事業者と処理業者から必要な情報の収集、整理を行うとともに、これらの者が相互に必要な情報を提供しあえるよう、必要な措置を講ずること。

 (3) 感染性一般廃棄物の処理については、排出事業者や郡市医師会等の関係団体から事情を十分に聴取し、一般廃棄物処理計画の中に位置づけること。

 (4) 市町村が感染性廃棄物の処理を行う場合には、感染性廃棄物の排出場所、排出方法等、排出事業者が留意すべき事項を指示するとともに、一般廃棄物の処理に関する事業に従事する職員に対し、医療行為に伴って生ずる廃棄物の全てが感染性廃棄物ではないこと、医療機関から生ずる廃棄物の中には医療行為とは関係のないものがあること、また、感染症の予防を図る上で必要な知識その他に関する知識の普及に努めること。

3 都道府県 

 (1) 感染性産業廃棄物の適正な処理を確保するため、都道府県医師会等の関係団体と十分に協議しつつ、産業廃棄物処理計画の中に感染性産業廃棄物の処理について記載するとともに、必要に応じて排出事業者、郡市医師会等の関係団体、処理業者及び市町村が協議する場を保健所単位で設けること。また、廃棄物処理センターの設置にあたっては、当該地域の感染性廃棄物の処理状況を踏まえ、その処理を推進できるよう配慮すること。

 (2) 国に準じて、関係法令等の関係者への普及・啓発に努めるとともに、優良な処理業者の育成に努めること。

 (3) 感染性廃棄物の排出及び処理の状況の把握に努め、排出事業者と処理業者から必要な情報の収集、整理を行うとともに、これらの者が相互に必要な情報を提供しあえるよう、必要な措置を講ずること。

 (4) 感染性廃棄物については、都道府県の区域を越えて広域的かつ効率的に処理が行われていることに配慮しつつ、適正な処理の推進にあたること。

 (5) 廃棄物主管課(部)は、医務主管課(部)はもとより、結核・感染症主管課(部)とも十分に連携を図りつつ、排出事業者及び処理業者を指導するなどにより、適正な処理の推進にあたること。 

4 国  

 (1) 市町村等において、感染性廃棄物の処理が適正に行えるよう指導し、また、処理施設の設置等について必要な支援措置を講ずること。

 (2) 感染性廃棄物について、都道府県の区域を越えた広域的な処理が行われていることに鑑み、感染性廃棄物の適正処理を確保するため、都道府県に対して必要な指導を行うこと。

 (3) 病院等における施設内処理を推進するため、安価で効果的、かつ、コンパクトな感染性廃棄物の処理技術の開発・普及に努めること。

 (4) 改正廃棄物処理法の施行にあたって関係機関の処理が混乱しないよう、関係法令及び感染性廃棄物の処理、管理等についての正しい知識の普及・啓発に努めるとともに、感染性廃棄物の処理を適正に行える優良な業者の育成に努めること。

 (5) 感染性廃棄物の適正な処理を推進するため、処理技術、処理業者等に関する情報を排出事業者が容易に入手できるよう、情報管理体制の整備に努めるとともに、排出事業者が感染性廃棄物であるか否かの判断を容易かつ統一的に行えるよう、必要に応じ、参考となる情報の収集、整理及び周知に努めること。

 (6) 生活環境の保全及び公衆衛生の向上の観点から、家庭から排出される血液等の付着した廃棄物等の適正な処理について国民に周知すること。また、在宅医療の推進に伴い、家庭から排出される感染性廃棄物の増大が見込まれることから、これらの適正な処理を確保するための方策について配慮すること。

★ 別紙1

感染性廃棄物の適正な処理の推進に関する方策について  
 本文書は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の改正に伴って新たに規定された特別管理廃棄物のうち感染性廃棄物(以下「感染性廃棄物及び一般廃棄物、産業廃棄物の区分に応じて感染性一般廃棄物、感染性産業廃棄物」という。)について、これと関連する部分の政省令等を策定するに際して参考となる方策を、医療廃棄物処理ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)を踏まえつつ、取りまとめたものである。なお、この方策は、今後、感染性産業廃棄物について新しい知見が集積された段階で、必要に応じて適宜、適切に見直すこととする。

1 感染性廃棄物等の定義、範囲等について

  ガイドラインの感染性廃棄物の定義、範囲等は、米国環境保護庁(EPA)が提示した感染性廃棄物の例、当時のわが国における感染性廃棄物の知見等に基づいて定められたが、その後の米国における感染性廃棄物対策の動向等を勘案しつつ、ガイドライン実施に伴う種々の問題点も踏まえ、感染性廃棄物等の定義、範囲等について検討を行った。  
 (1) 定義及び範囲  
   感染性廃棄物の定義については、その排出経路、性状等についてガイドラインで述べられている定義をさらに具体化することとし、「感染性廃棄物とは、医療機関、試験研究機関等から医療行為、研究活動等に伴って発生した廃棄物のうち、排出後に人に感染症を生じさせるおそれのある病原微生物の含まれ、若しくは付着し、又はそのおそれがある廃棄物」とする。なお、ここでいう感染症とは、すべての感染性疾患を総称しているわけではなく、廃棄物処理の際に公衆衛生上問題を起こすおそれがある感染症を指す。  
  また、「人に感染症を生じさせるおそれのある病原微生物の含まれ、若しくは付着し、又はそのおそれがある廃棄物」は、人に関する診療行為や医療関係の研究活動だけでなく、人畜共通感染症にり患又は感染した動物に関する診療行為や研究活動から発生することもある。  
   これらのことから、感染性廃棄物の範囲は、  
  ア 血液、血清、血漿及び体液(精液を含む。)並びに血液製剤(以下「血液等」という。)  
  イ 手術等に伴って発生する病理廃棄物  
  ウ 血液等が付着した鋭利なもの  
  エ 病原微生物に関連した試験、検査等に用いられたもの  
  オ その他血液等が付着したもの  
  カ 伝染病予防法、結核予防法その他の法律(以下「伝染病予防法等」という。)に規定されている疾患等にり患した患者等から発生したもの(以下「汚染物」とい  
う。)若しくはこれらが付着した又はそのおそれがあるものでア・オに該当しなもの。  
  とすることが適当である。  
   「ア 血液等」については、たとえ感染性廃棄物の処理に当たって最も問題となるB型肝炎ウイルスが含まれていても、単に皮膚に接触しただけでは感染を起こすことはほとんどないが、現在は、血液そのものに感染性のおそれがあるという認識が国際的に定着していること、病院等においては血液等は不衛生なものとして取り扱わ  
れていること、また、血液等が廃棄物として不適正に処理された場合、住民に不安を与えたり、鋭利なものに付着することによって人に未知のウイルスも含めて感染症を生じさせるおそれは否定できなことから、これらはすべて感染性廃棄物とする。  
   なお、ここでいう血液等とは、液状、泥状のものを指すが、凝固した血液等が多量に付着したものもこの範囲に含むものとする。  
   「イ 手術等に伴って発生する病理廃棄物」については、既知の感染症にり患していない人から手術又は病理解剖等によって摘除されたものであっても、血液等を含むこと、及び不適正に処理された場合に種々の問題を生じることが想定されることから、感染性廃棄物とする。  
   なお、この範囲に含まれるものは、それが人体の一部であったことから、丁重に取扱わねばならない。  
   また、動物については、人畜共通感染症にり患した動物の手術等に伴って発生するものを廃棄する場合はこの範囲に含めるものとする。  
   「ウ 血液等が付着した鋭利なもの」は、バイオハザードとメカニカルハザードの両者の性質を有するおそれがあり、感染性廃棄物の中でも最も厳重な管理を要するものの一つである。さらに、これらのものは、血液等の付着がわずかであっても、メカニカルハザードが大きいため、バイオハザードについても十分に考慮する必要があることから、感染性廃棄物として取扱うことが必要である。この観点から、動物の診療施設から排出されるものも同様に扱うことが適当である。  
   この範囲には、注射針等鋭利なものばかりでなく、破損等によって鋭利なものになる可能性のあるものも含むこととし、動物に使用したものも含めてすべて感染性廃棄物とする。  
   「エ 病原微生物に関連した試験、検査等に用いられたもの」については、病原微生物に汚染されている可能性が極めて高く、また、病原微生物を高濃度に含むことも少なくなく、バイオハザードの観点から最も危険なものと考えられることから、これらは感染性廃棄物とする。試験研究機関においては、実験等に用いた微生物が原因となる、若しくはそのおそれがある感染症(バイオテクノロジー分野も含む。)を対象とすることが望ましい。  
   「オ その他血液等が付着したもの」については、ガイドラインにおいて、「十分な安全性を確保する観点から一応感染性廃棄物として扱うこととするが、血液等の付着の程度や付着した廃棄物の形状、性状の違いにより、感染の危険性には大きな差があると考えられる。したがって、これらを排出する場合、専門知識を有する医師等によって感染の危険がほとんどないと判断されたときには、感染性廃棄物とみなす必要はない。」とされており、基本的にはこれで十分である。  
   なお、非感染性であると判断された「その他血液等が付着したもの」を多量に排出する施設にあっては、感染性廃棄物との違いを明らかにするため、非感染性である旨の表示を行うことも必要であろう。  
   「カ 汚染物」については、不適正な処理がなされた場合、公衆衛生上の種々の問題が生じるおそれがあるため、人畜共通感染症にり患した動物のものも含めて感染性廃棄物として取り扱うことが適当である。この範囲に含まれるものについても医師等の判断基準を策定する。  
   薬事法施行令別表第1の内蔵機能代用器のうち体外循環を行う器具(透析器、人工心肺、血液回路等で血液等に直接接触するものをいう。)については、感染の危険性の面から、そのすべてを感染性廃棄物とする必要はないので、血液の付着程度、損傷性のおそれの有無等の状態に応じてそれぞれ「ア 血液等」、「ウ 血液等が付着した鋭利なもの」、「オ その他血液等が付着したもの」又は非感染性廃棄物に分けることが適当である。

  
(2) 感染性一般廃棄物と感染性産業廃棄物の区分  
   感染性廃棄物を「(1)定義及び範囲」を踏まえて区分すると、次の表にようになる。(略)

(3) 対象施設  
   感染性廃棄物は、医療機関、試験研究機関等だけでなく、家庭その他からも排出されるが、ガイドラインと同様、日常的に感染性廃棄物がまとまって排出される施設を特定し、そこから排出される前述の廃棄物を感染性廃棄物として規制することが適当であることから、次の施設を対象とすべきである。なお、「イ 診療所」には、保健所、血液センター、各種検診機関及び「カ 試験研究機関」に該当しない試験研究機関であって診療所の届出を行っている、若しくは許可を受けている施設が含まれている。  
  ア 病院  
  イ 診療所  
  ウ 助産所  
  エ 衛生検査所  
  オ 老人保健施設  
  カ 試験研究機関(医学、歯学、薬学、獣医学に係るものに限る。)  
  キ 動物の診療施設  
  ク その他厚生大臣が指定する施設  
   ここに掲げた施設以外から排出される感染性を有する廃棄物の取扱いについては、法的な規制の対象とならないが、何らかの指導を行うことが望ましい。また、今後、在宅医療の推進に伴って家庭から排出される感染性を有する廃棄物の増大が見込まれるため、これらの廃棄物の取扱い上の注意事項等については周知する必要がある  
。  
   なお、往診時に生じた血液等の付着した鋭利なもの等は、確実に当該医療機関等に戻されなければならない。

2 処理について

  感染性廃棄物の処理については、ガイドラインの中に施設内処理及び処理業者等が行う処理について、保管、収集・運搬、処分の方法等が定められているが、新たな知見も加えて検討を行った。

 (1) 基本的な考え方  
   近年、病院等の施設内に設置されている焼却炉が、大気汚染、住民の苦情等の種々の要因により使用ができなくなってきており、そのような施設では、感染性廃棄物の処理に際して、処理業者に委託するか、市町村に協力を求めざるを得ない。  
   滅菌、消毒、微生物学等の専門家を有する病院、診療所等においては、施設内で感染性廃棄物を非感染化して排出することが望ましいことから、施設内処理の推進を図るため、ガイドラインに定められた方法以外であっても、効果的な方法については今回取り入れることとする。

 (2) 収集・運搬に関する基準  
   ガイドラインでは、医療関係機関等の施設内における分別、収集・運搬、梱包及び表示、処理業者が行う収集・運搬及び運搬車両等について定められており、これらを感染性廃棄物の収集・運搬の基準とすることが適当である。  
   なお、市町村が収集・運搬を行う場合には、感染性廃棄物の特性に鑑み、市町村が排出事業者に対して排出場所、排出方法その他必要な事項を指示することが必要である。  
  ア 分別  
   (ア) 感染性廃棄物は、発生時点において、他の廃棄物と区分し、適正な容器(袋を含む。以下同じ。)に収納すること。  
   (イ) 他の容器に移し替えることはできるだけ避けること。鋭利な感染性廃棄物については他の容器に移し替えないこと(容器ごと他の容易に入れることは、特段  
問題ない。)。  
  イ 梱包  
    感染性廃棄物の梱包は次のとおりとし、梱包に用いる容器又は材料は、感染性廃棄物の性状に応じて適切なものを選択すること。  
   (ア) 注射器、メス等の鋭利なものについては、危険を防止するため、耐貫通性のある堅牢な容器を使用すること。  
   (イ) 固形状のものについては、丈夫なプラスチック袋を二重にして使用するか、堅牢な容器を使用すること。  
   (ウ) 液状又は泥状のものは、廃液等が漏出しない密閉容器を使用すること。  
   (エ) 分別しない場合は、耐貫通性のあり、堅牢で液体が漏出しない密閉容器を使用すること。  
   (オ) 容器は、感染性廃棄物が飛散し又は流出し並びに悪臭が漏れるおそれがないものであること。  
  ウ 表示  
    感染性廃棄物を収納する容器には、感染性廃棄物である旨を表示すること。性状に応じてマークの色を分けること。  
  エ 運搬  
   (ア) 感染性廃棄物の運搬にあたっては、他の廃棄物と混載しないこと。  
   (イ) 原則として、運搬途中で積み替え・保管を行わず、処理施設へ直送すること(ただし、運搬効率の向上のため、積み替え、保管を行なう場合はこの限りではない。)。  
   (ウ) 運搬車は感染性廃棄物の容器等が車両から落下するおそれのない構造を有するものであること。  
   (エ) 感染性廃棄物と未使用容器、その他のものを同一の車両で運搬する場合には、防水性の中仕切を設けていること。  
 (3) 処分の基準  
  ア 医療関係機関等が自ら行う場合  
    感染性廃棄物の処理を医療関係機関等が自ら行う場合は、以下のいずれかの方法によること。  
   (ア) 焼却  
   (イ) 溶融  
   (ウ) 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)  
   (エ) 乾熱滅菌  
   (オ) 煮沸  
   (カ) 消毒(B型肝炎ウイルスに効果のある方法であること。液状又は泥状のものをその後固形化する処理を含む。伝染病予防法等に規定されている疾患にり患している患者等から排出された廃棄物については、その規定する方法によるものとする。)  
   (キ) その他厚生大臣が指定する方法  
  イ 業者が行う場合  
    感染性廃棄物の処理を業者が行う場合は、以下のいずれかの方法によること。なお、適切な処理が安全性を確保した上でできるような基準を設定する必要があることから、(ウ)、(エ)についても破砕等の条件を附すことが適当である。  
   (ア) 焼却  
   (イ) 溶融  
   (ウ) 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)  
   (エ) 乾熱滅菌  
   (オ) 破砕かつ消毒(消毒は、B型肝炎ウイルスに効果のある方法であること。液状又は泥状のものをその後固形化する処理を含む。伝染病予防法等に規定されている疾患にり患している患者等から排出された廃棄物については、その規定する方法によるものとする。)  
   (カ) その他厚生大臣が指定する方法  
  ウ 処分後の残渣物  
    感染性廃棄物は、前述の処分後は非感染性廃棄物となるため、通常の廃棄物としてその種類に応じた処分を行うことになるが、その際には、  
   (ア) 処分後も鋭利なもの又は液状のものについては、堅牢で内容が漏出しない容器に入れること。  
   (イ) 焼却、溶融又は破砕・消毒その他処理に伴い廃棄物の物理的な性状を変化させることができる方法以外の方法により処理し、この残渣物が感染性廃棄物と混同されるおそれがある場合には、必要に応じて容器等に処理済みである旨を表示したうえ、あらかじめ焼却、溶融又は破砕して埋立処分すること。

3 保管について

  感染性廃棄物の保管の基準は、ガイドラインの内容を踏まえ、以下のようにすることが適当である。  
 (1) 感染性廃棄物の保管は極力短期間とすること(腐敗するおそれのある程度の期間にわたり保存しなければならない場合は、冷蔵保存等の措置を講ずること)。  
 (2) 感染性廃棄物の保管場所には、関係者以外立ち入れないようにすること。ただし、診療所等小規模の施設のうち適切な保管場所を確保できない施設にあっては、感染性廃棄物を収納した容器等に関係者以外がみだりに触れることがないようにすること。  
 (3) 感染性廃棄物は、他の廃棄物と区別して保管すること。  
 (4) 感染性廃棄物の保管場所には、関係者の見やすい箇所に感染性廃棄物の保管場所であること、取扱いの注意事項等を表示すること。

4 処理の業について

  ガイドラインでは、処理業者が行う収集・運搬及び処分の方法が定められているが、これは行政指導の一環としてのものであり、既存の産業廃棄物処理業者のうちガイドラインに合致する車両や焼却処理施設等を所有する者が処理を行ってきた。改正廃棄物処理法では特別管理産業廃棄物処理業が新たに規定されたことから、感染性産業廃棄物を専門とする優良な処理業者の許可及び育成を図るため、感染性産業廃棄物処理業についての基本的な考え方を次に示す。  
 (1) 基本的な考え方  
   感染性産業廃棄物の特性を熟知した優良な処理業者の育成及び許可が最大の課題である。  
   また、処理料金の適正化を図るとともに、処理業者の存在しない地域をカバーする観点から、広域的に処理を行う業者の育成を進める必要がある。  
   なお、業者が行う処理は、感染性が失われたことが明らかに分るような方法(焼却、溶融、滅菌+破砕、消毒+破砕)とすることが適当である。  
 (2) 収集又は運搬の業の許可の申請者が有すべき施設及び能力  
   特別管理産業廃棄物の収集又は運搬の業の許可の申請者が有すべき一般的な施設及び能力に加え、以下のものを必要とすることが適当である。  
  ア 感染性産業廃棄物の特性及び関係法令を熟知した者がいること。  
  イ 保冷車等を使用できること。  
  ウ 積み替え、保管を行う場合には、専用の施設等を所有又は使用できること。  
  エ 収集、運搬時の車両事故等に対処できる能力を有すること。  
  オ 梱包容器(再使用する場合)及び車両の荷台を定期的に、及び、随時薬物消毒できる能力を有すること。  
  カ 職員の健康管理体制が整備されていること。  
 (3) 処分の業の許可の申請者が有すべき施設及び能力  
   特別管理産業廃棄物の処分の業の許可の申請者が有すべき一般的な施設及び能力に加え、以下のものを必要とすることが適当である。  
  ア 感染性産業廃棄物を適切に処分できる施設・設備を有し、操作方法等を熟知した者がいること。  
  イ 感染性産業廃棄物の特性及び関係法令を熟知していること。  
  ウ 感染性産業廃棄物を焼却又は溶融する場合、梱包されたままで行うなど、感染性廃棄物の特性に応じた措置を講ずることができること。  
  エ 保管する場合、専用の施設を所有すること。  
  オ 職員の健康管理体制が整備されていること。 

(参考)  
                感染性の有無の目安  
Ⅰ その他血液等が付着したもの  
  次の条件を満たす場合は、感染症を有していないと考えることができるであろう。なお、これ以外の場合であっても、乾燥した血液等しか付着していない等の場合は感染症を有していないと考えることができることは、いうまでもない。  
 1) 血液を介して感染する感染症にり患若しくは感染している患者等から生じたものではない。  
 2) 損傷性のおそれがない。  
  注1 血液を介して感染する感染症とは、人については、次のものがあげられる。  
    B型肝炎  
    C型肝炎  
    後天性免疫不全症候群  
    成人T細胞性白血病  
    マラリア  
    梅毒  
     ウイルス性出血熱(ラッサ熱、エボラ出血熱、マールブルグ病及びクリミア・コンゴ出血熱)  
    その他医師、歯科医師が必要と認める疾患  
  注2 損傷性のおそれとは、破損等により鋭利なものになる可能性があることをいう(ガラス、陶磁製品等)。  
Ⅱ 伝染病予防法等に規定されている疾患等及びそれに対応する汚染物  
  伝染病予防法等に規定されている疾患等及びそれに対応する汚染物とは、次のようなものが考えられる。  
 (ア) 伝染病予防法施行規則第25条に規定する疾患に対応する同条に規定する鼻汁、し尿等  
 (イ) A型肝炎については、排泄物  
 (ウ) B型肝炎、C型肝炎、後天性免疫不全症候群については、分泌物及び滲出物(唾液、涙液、汗は除く。)  
 (エ) ウイルス性出血熱については、排泄物、分泌物及び滲出物  
 (オ) 結核については、結核予防法施行規則第16条第4号に規定するつば及びたん  
 (カ) その他医師、歯科医師が必要と認める疾患とそれに対応する汚染物(排泄物、分泌物及び滲出物)  
 (キ) 動物(実験動物を除く。)については、人畜共通感染症にり患している動物の汚染物(排泄物、分泌物及び滲出物)により、人に感染症を生じさせるおそれがあると獣医師が認める疾患及びその汚染物  
 (ク) 実験動物については、人畜共通感染症にり患している動物の汚染物(排泄物、分泌物及び滲出物)により、人に感染症を生じさせるおそれがあると医師等が認める疾患及びその汚染物  

 


 

 

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